経審の審査項目と総合評定値(P)の算出方法
前述しましたが、経審の審査項目は下記の5つに大きく分けられます。
- 工事種類別年間平均完成工事高の評点 ・・・・・ X₁
- 自己資本額および平均利益額の評点 ・・・・・ X₂
- 経営状況分析の評点 ・・・・・ Y
- 技術力の評点 ・・・・・ Z
- その他の審査項目(社会性等)の評点 ・・・・・ W
上記審査項目のうち、経営状況分析(Y)は国土交通省へ登録している経営状況分析機関が行い、経営規模等評価(XZW)の審査および総合評定値(P)の算出は各都道府県が行うこととなっております。
総合評定値(P)は、土木一式や電気などの申請業種ごとに算出されます。その理由は、総合評定値(P)を算出するために使われる経営規模(X)と技術力(Z)が、申請業種ごとに異なるからです。
総合評定値(P)の計算方法
総合評定値(P)は、以下の計算式によって算出されます。
- 総合評定値(P)=0.25X₁+0.15X₂+0.20Y+0.25Z+0.15W
※総合評定値(P)の最高点は2,134点、最低点は281点
上記計算にあたっては、X₁、X₂、Y、Z、Wについてもそれぞれ数値化されますので、それぞれのその詳細な審査項目については下記で見ていきましょう。
X₁、X₂、Y、Z、Wについての詳細な審査項目
経営規模(X)の審査項目 1:X₁ 2~3:X₂
- 工事種類別年間平均完成工事高
- 自己資本額(=純資産額)
- 平均利益額(利払前税引前償却前利益)
技術力(Z)の審査項目
- 技術職員数(業種別に点数化)
- 工事種類別年間平均元請完成工事高
その他の審査項目(社会性等)(W)の審査項目
- 労働福祉の状況
- 雇用保険加入の有無
- 健康保険及び厚生年金保険加入の有無
- 建設業退職金共済制度加入の有無
- 退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無
- 法定外労働災害補償制度加入の有無
- 建設業の営業継続の状況
- 営業年数
- 民事再生法又は会社更生法の適用の有無
- 防災活動への貢献の状況
- 法令遵守の状況
- 建設業の経理の状況
- 研究開発の状況
- 建設機械の保有状況
- ISOの登録状況
経営状況の審査項目 1~2:負債抵抗力 3~4:収益・効率性 5~6:財務健全性 7~8:絶対的力量
- 総支払利息比率
- 負債回転期間
- 総資本売上総利益率
- 売上高経常利益率
- 自己資本対固定資産比率
- 自己資本比率
- 営業キャッシュフロー(絶対額)
- 利益剰余金(絶対額)
最終的な評価結果
最終的な評価結果(総合数値)は、上記経審の結果に、各発注機関による主観的な評価(補足的数値)が加えられ、算出されることになります。
- 総合数値=経審における総合評定値(P)+補足的数値(各発注機関が別に定める)
※総合数値算出方法
これにより、入札参加資格審査において格付けがなされることになります。